3.生物多様性保全のための施策

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(1)生物多様性条約

地球温暖化対策とともに、生物多様性の保全と持続可能な利用は世界的に注目されています。1992年に開催された地球サミットでは気候変動枠組条約と同時に生物多様性条約の署名が開始されました。この条約は世界の193の国と地域が締結しており、2年に1回締約国会議が開催されています。

2010年10月に開催された第10回締約国会議(COP10)は日本の愛知県で開催され、生物多様性に関する新たな世界目標である「愛知目標」や、遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する「名古屋議定書」が採択されました。

 

(2)生物多様性国家戦略

我が国は生物多様性条約を1993年(平成5年)に締結し、平成7年には「生物多様性国家戦略」を決定しました。

平成20年には、議員立法により生物多様性基本法が制定され、平成22年には、同基本法に基づき「生物多様性国家戦略2010」が閣議決定されました。

さらに、平成24年に「生物多様性国家戦略2012-2020」が策定されました。この国家戦略は、2020年度までに重点的に取り組むべき施策の方向性として、(1)生物多様性を社会に浸透させる、(2)地域における人と自然の関係を見直し再構築する、(3)森・里・川・海のつながりを確保する、(4)地球規模の視野を持って行動する、(5)科学的基盤を強化し政策に結びつける、を提示しています。

 

(3)自然再生事業

自然再生事業は、過去に失われた自然を積極的に取り戻すことを通じて生態系の健全性を回復することが目的です。直線化された河川の蛇行化による湿原の回復、都市臨海部における干潟の再生や植物の植生の回復などを行い、破壊された自然景観や生態系の改善・復元を試みる事業です。

2002年(平成14年)に、議員立法により自然再生推進法が成立しています。

 

(4)自然公園法

自然公園法は、自然の「保護」と「利用」の両方を推進するという考え方を示しています。

自然公園には、国が指定・管理する国立公園、都道府県の申出により国が指定し、都道府県が管理する国定公園、都道府県が指定・管理する都道府県立自然公園があります。現在、30の国立公園、56の国定公園、312の都道府県立自然公園があります。

国立公園では、環境大臣が公園計画で規制と施設整備について定めており、それに基づき指定された特別地域等では、景観や自然環境を保全するため、各種開発行為を規制しています。

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小笠原国立公園(南島) 中部山岳国立公園(上高地)

 

(5)世界自然遺産

屋久島縄文杉(世界自然遺産)

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世界遺産条約に基づく世界遺産は、文化遺産と自然遺産に分類されています。自然遺産は、「世界的な見地から見て、観賞上、学術上または保存上顕著な普遍的価値を有する特徴ある自然の地域、脅威にさらされている動植物種の生息地、自然の風景地等」を対象としています。

我が国が世界遺産条約に加盟したのは、条約採択から20年後の1992年(平成4年)ですが、1993年(平成5年)には白神山地と屋久島、また2005年(平成17年)には知床、2011年(平成23年)には小笠原諸島が世界自然遺産として登録されています。

 

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知床(世界自然遺産)

 

(6)ラムサール条約による湿地の保全

1975年(昭和50年)に発効した「ラムサール条約」と呼ばれる条約があります。この条約は、特に水鳥の生息地などとして国際的に重要な湿地とそこに生息する動植物の保全を促進することを目的としています。

我が国は1980年(昭和55年)に締約国となり、2012年(平成24年)7月現在、我が国のラムサール条約登録湿地は46か所となっています。

全世界のラムサール条約登録湿地は、2012年(平成24年)現在1832か所に及んでいます。

ラムサール条約登録湿地については、自然公園法、鳥獣保護法などにより採捕や開発行為を規制したり、関係市町村の連携・協力により地域レベルでの湿地保全活動を進めています。

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