様々な環境問題の中で、最も深刻なのは地球温暖化の問題であると思います。
そこで、まず、地球の未来を危うくする地球温暖化の仕組みを簡単に説明しましょう。
地球温暖化とは地球の温度が上昇することですが、その原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスが増えていることであると考えられています。
温室効果ガスとは、皆さんが呼吸をした時に吐き出す二酸化炭素や、冷蔵庫やクーラーなどで使われているフロンなどのことですが、これにはいくつかの種類があります。メインはやはり二酸化炭素です。もちろん、皆さんの深呼吸が一番の原因ではなく、石炭、石油などの、いわゆる化石燃料を燃やすことにより排出される二酸化炭素が温室効果増大の主役です。
現在、地球の平均気温は約15℃ですが、もしも地球上に温室効果ガスがなかったとすれば、平均気温はマイナス19℃になると言われており、生命の存在できない非常に寒い星となってしまいます。
太陽から届く光は大気を素通りして地表面(地面)で吸収され、地表面を温めます。そして温められた地表面から熱が赤外線の形で放射されます。温室効果ガスはこの熱を吸収し、また、吸収した赤外線の一部を再び下向きに放射して、地表面や大気を再び加熱するという仕組みにより生物の生存に適した気温に保つことが出来たのです。
ところが、産業革命以来、人間活動の活発化に伴って、石炭、石油の消費が増え、化石燃料の燃焼に伴い、次第に大気中の二酸化炭素の濃度が増加してきました。その結果、熱の吸収量が増えて、気温が上昇してしまう、これが地球温暖化です。つまり、化石燃料の消費とそれによる二酸化炭素の大気中の増加が地球温暖化の主な原因なのです。
過去100年間で世界の平均気温は0.74℃上昇しています。最近50年間の気温上昇傾向は、過去100年間のほぼ2倍になっています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、1980年から1999年までに比べ、21世紀末(2090年から2099年)の平均気温上昇は1.1~6.4℃と予測しています。
地球はこれまで、寒冷な長い期間(氷期)と温暖な短い期間(間氷期)を繰り返してきました。現在は間氷期にあたり、温暖な時期が1万年ほど続いています。 それでは、現在の温暖化現象も、過去の地球の気候変動と同じものとして扱うことができるのでしょうか。 IPCCの報告書では、以下のように記述されています。 「過去100万年で最大の温度変化は、氷期と間氷期の間の4~7℃の平均気温の変化であるが、これは約5000年をかけての穏やかな過程であった。したがって、現在の地球の気候変動の程度が、過去の変動と比べてはるかに急激で異常であることは明らかである。」 過去の気温変化が5000年かけて7℃(100年あたり0.14℃)であったのに対し、最近100年間の気温上昇は0.74℃、今後100年ではさらなる気温上昇が生じることが予測されています。 現在の温暖化は、これまで人類が経験したことのないほど、急激な温度上昇を引き起こす可能性があるのです。 「非常に短期間でしかも急激である」ということが最大のポイントです。 (「STOP THE 温暖化2008・環境省」より)
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